【スタージョンの法則】

  1. SFの90%はクズである
  2. そしてあらゆるものの90%はクズである
  • 文学に関するパネルディスカッションで「SFの90%はクズじゃないか」と批判されたスタージョンが「それならば、あらゆるものの90%はクズだ」と反論したことが起源であるとされる。
  • これは、一部を取り上げて全体がそうであるかのように非難する論調に対しての逆批判として極めて有用であるため、それ以後も様々な場所で用いられている。
  • 「最低の作例を引っ張り出しては叩く」という悪意の攻撃に対して、自分から直接反撃しているのだ。90%のSF作品をゴミカス扱いするのと同じ基準を用いれば、映画、文学、消費材などその他あらゆるものの90%も同様にゴミである。言葉を変えれば、「SFの90%がカスだ」という主張ないし事実のもつ情報量はゼロである。なぜならば、SFは他の芸術/技術の産物と同様の質的傾向を示しているに過ぎないからである。
  • 他方で、「一定の名作を生むジャンルには、常に多量の駄作がある」という風に言い換えることもできる。例えばゲーム業界であれば、名作ゲームの影には常に大量の駄作ゲームがあるということになる。
  • 多量の駄作の存在は、それらを受け入れる市場の存在を前提にするが、それが存在しないジャンルは名作を生み出せない。そのような駄作は、駆け出しの制作者の修練の場でもあるからである。それを失ったジャンルは、後継者を失って先細りになりがちである。